知らない間に進む改憲議論<憲法審査会>

知らない間に進む改憲議論<憲法審査会>

 

2022年5月26日、予算員会が行われる同時間帯に、憲法審査会が行われていた

NHKは予算委員会を中継したが、こちらは中継せず。

立憲民主党「無所属の会」の吉田はるみさんが、なぜ、同時期に開催したのか、政治家の都合の良いように国会審議や国会運営がされ、不信感を増幅させている、数の力で押し切り、改憲ありきの憲法審査会の姿勢を国民に見せている、などこの件に抗議している。

吉田はるみ)

初めに4月28日の憲法審査会で、国民投票法改正案が本審査会に付託された際の強引なやり方に抗議させていただきます。

そして本日、予算委員会が開かれるこの同時間帯に、憲法審査会が開かれることは誠に遺憾であり、強く抗議します。〜〜

こちらが憲法審査会のyoutube動画

 

2015年に憲法9条は既に死文化されていた

以前のブログにも書いた安保法制(通称/戦争法)により、憲法9条は実質既に死文化されている件。

詳しく説明している日弁連のサイトがありました。

●改正された安保法制によりできるようになったこと

https://www.nichibenren.or.jp/library/ja/publication/booklet/data/safty_9questions.pdf

■自衛隊が海外に出向いて他国とともに武力行使をする、集団的自衛権の行使が認められた。

■集団的自衛権は、A国がB国を攻撃したとき、攻撃を受けていないC国(日本) がB国と一緒にA国に反撃するものです(図1参照)。

日本が他国の戦争に関与することが可能になった。

日本が攻撃されていないのに、武力行使に加われば、日本が相手国の敵国となり、日本も攻撃の対象とされて戦争となるおそれがある。

■安保法制は、自衛隊が後方支援をする地域を、これまでいわゆる「非戦闘地域」に限っていたのを、「現に戦闘行為が行われている現場」でなければよいとして、 戦闘現場の周辺でも後方支援をできるようにしました。また、これまで禁止されていた弾薬の提供や、戦闘作戦行動のために発進準備中の戦闘機などへの給油や整備までできるようにしました。

その他にもPKOの役割が大きく変わっていたり・・、詳しくは是非サイトへ行って読んでみてください。

これだけ変えちゃっているのですから、憲法9条を理由に改憲が必要というのにはやはりウソですね

本当にやりたいことは、「基本的人権の削除」と「緊急事態条項」の方でしょう。これを全面に出せば警戒され、反対されるので、憲法9条を改憲の柱に見せているだけです。

他国の緊急事態条項と自民党の緊急事態条項との違い

他国でも、緊急事態条項はあるから、日本でもあってもいいという人がいる。

でも他国と違い、日本の緊急事態条項は内閣のところに権力が集中するだけで抑えるものがない。

例えばドイツは、政府の暴走を防ぐために緊急事態を判断するのは議会

内閣は勝手に決められないし、議会は緊急事態を強制終了できる

さらに権力が悪用されたら国民に政府への抵抗権が認められてる

日本の改憲草案には、そういう政府の暴走を止めるものが何もない。限りなく独裁政治になる可能性がある。

https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kenpou.nsf/html/kenpou/chosa/shukenshi014.pdf/$File/shukenshi014.pdf

基本的人権の削除、緊急事態宣言、今年の4月1日から、成年年齢が20歳から18歳にかわったことなど、徴兵制をイメージさせる要素に満ちている。

天皇を象徴から元首にする意味は?

今回の自民党草案でもう一つ気になるところ。

それは天皇を象徴から元首にするということ。

戦前の元首だった天皇も、今の象徴としての役割とあまり変わらない、他国では元首としてもてなされているから、この際元首とはっきりさせたほうがいいーというのが自民党の言い分だったと記憶しています。

ですが、天皇が元首だった頃の大日本帝国憲法の第3条にはこのようなことが書かれています。

「天皇は神聖にして侵すべからず」までは有名ですが、その後にこんな文言が続くのを知っていましたか。

「『天皇は神聖にして侵すべからず』(憲法第3条)。天皇は如何なる理由によっても退位されることはない。天皇はその主権の行使において法の制限を踏み越えたという責任を問われることはない。その主権行使の全ての責任は政府閣僚その他の諸機関に期する。したがっていかなる批判も、その主権諸機構に対するもののほかには、天皇に対してこれを為すことはできない。法律は原則として、就中、刑法は、天皇には適用されない。なぜならば法廷は天皇自身を裁くことはできず、天皇はいかなる法律にも拘束されないからである

『日本年鑑1944-45年』117頁 日本政府出資団体たる日本外事協会発行

これはバーガミニの「天皇の陰謀」の始まりのページに載せられていたもので、日本年鑑に掲載されていたようです。

まさに超法規の現人神の扱い。

今の自民党の憲法草案には、もちろんこれと同じものは書かれていませんが、元首と象徴は、全く同じではないという意味で、ここにも注意が必要だと思う。

自民党が何を意識して象徴から元首にしたのか、注意してみていきたい。

最近は、侮辱罪の厳格化、警察改正法など、戦前の密告制度や特高警察を彷彿とさせる法案が次々通っている。

自民党は明治の頃の、強大な権力をもっていた天皇の時代に戻したいのでしょうか。

この下のツイート、10年以上も前に起きたことですが、そういえばこれはどうして拘束されたのかいまだに謎なのです。

この時は鳩山内閣、政権交代で自民党が野党に下野した時でした。公権力が力を持つとなんでもできてしまう怖いこととして覚えておきたい。

 

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